カテゴリ:映画のこと( 77 )

映画『アーティスト』はどうだ

アカデミー賞を獲った話題のサイレントムービー。
夜花見⇒車中泊明けに、モーニングで観賞です。


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サイレントを映画館で観るのはもちろん初めてなわけですが、上映直後に早くも、「あー、観に来て良かったな~。」と感慨深い気持ちに包まれます。映画好きで良かったな~。

そうそう。トーキー以後のサイレントものでは、70年代に『メル・ブルックスのサイレント・ムービー』なんてのもありました。サイレントに対する敬意みたいなものが本作とは天と地の差がありますが(笑)。まあ、全くアプローチが違うバカ映画なので比較するほうが間違いですが、少なくとも個人的には、M・ブルックス監督作で一番好きな映画ではあります。・・・おっと、全く関係のない話になってしまいました。

とにかくシンプルに展開するストーリーと、主役のJ・デュジャルダンの徹底した役作りはもちろんですが、中でも序盤の舞台挨拶シーンでの滑稽な立ち居振る舞いは、まるでチャップリン映画を観ているよなホッコリした気分に。他にも影の使い方だったりと、なんともリアルな20年代サイレントを観ているようでした。
とはいっても、この映画の肝になっているのは「音」。2回ほど、本家では到底ありえない、そんな「音」での表現があります。このパンチが非常に効いていて、ラストはなんだか夢から強制的に引き戻されたかのようなポッカリした気分にさせられます。ここを受け入れるかどうかで、この映画の好みが分かれるのかも知れませんね。現代だから出来る技。まんまとやられました。
音響や視覚効果がこれでもかというほど発展した今日の映画産業。それが当たり前になってしまった今だからこそ、「音」が持つ純粋な素晴らしさをこのサイレント映画で堪能しなさいって事なのでしょうね。と、僕は勝手に思っているわけですが、その発想がまたオシャレだなーとウットリしている井上ウットリ…じゃなくてウッドでございます。

最後に、犬のアギーちゃん。最高。
by inouewood | 2012-04-25 00:39 | 映画のこと

映画『戦火の馬』を観る

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さすがは馬映画です。馬同士の演技が素晴らしく、目で訴える某シーンは、まさに胸ぐら掴まれる位の鋭さが漲っていて僕がフルえてしまいました。

さてこの映画。児童文学の映画化という事で、「子供にも観せたい!」という声もあるようですが、個人的には若い頃に1930~50年代の映画に触れてきた大人たちにこそ観てほしい映画だと感じました。そんな「古き良きハリウッド映画」を現代の技術で再現した印象を強く受けたわけです。戦争を扱っていながら、視覚的な血が飛び散る場面は一切なく、<ここからネタばれ御免!⇒⇒>ハイライトの再会シーンは白黒映画を観ているような絶妙(決して陳腐ではない)な空間作りであり、なんていってもラストシーンは「風と共に去りぬ」を思い出させる憎い演出。不覚にも一気に情を持っていかれました。

配役も如何にも!な素晴らしさ満載で、中でもエミリー・ワトソンなんてまさに「古き良き」女優顔(失礼)。父役のピーター・ミュランもお得意の「ちょいワルイギリス親父」感はどこへやら、小さくまとまった昔ながらの「西部劇風ダメ親父」に。こんな観る者の脇腹を擽るような配役に対して「お見事!」以外に当てはまる言葉がありません。
そんなこんなで、この映画に関しては、ただの家族愛やら動物愛やらで感想をまとめてしまうには、とてももったいないような気がします。

まあ・・・人間ドラマに厚みがないし、中盤は淡々としているのは確か。でも要点を絞り込むスッキリ感が従来のエンターテイメントのかたちであり、その分かりやすさがむしろ魅力だったような。スピルバーグ自らがそこへ原点回帰し、チャレンジを続けているかのようで。そんなとてつもない映画愛を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なんだか言いたいことが言えたようで言えてない気がしますが・・・まあまあ、今宵もステキな映画に出会えました。
by inouewood | 2012-03-26 01:45 | 映画のこと

映画『ヤング≒アダルト』を観る

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仕事帰りのレイトショーで『メランコリア』を見る予定も、『ヤング≒アダルト』をやっているの知り急遽そちらを見てきました。
『サンキュー・スモーキング』や『JUNO』、『マイレージ・マイライフ』など。個人的にはまっているジェイソン・ライトマン監督。そんな彼の新作。やってるなんて全然知らなかったので、妙にワクワクしながら座席につきました。

以前に予告編を見ていた限りでは、「全く共感できない」楽しさを味わう映画なのかと思ってました。そんな心構えで見てみると、とにかくクスクス笑いどころ満載。主役のシャーリズ・セロンが素晴らしい。『マイレージ~』のJ・クルーニー然り、意外な役者がこの独特なテンポのJ・ライトマン映画にぴったりハマるのが凄い。

<<以下、ネタバレ御免!>>

狙った男の妻が歌うシーンはとにかく爆笑。歌のチョイスといい、C・セロンの表情といい完璧。暴走するハイライトも、本来笑えないシーンなんだろうが、僕にはその空間にあるものすべてが滑稽に見えてしまい笑いが止まらなかった。あーいうシーンをサラッとまとめてしまうところは、まさにJ・ライトマン監督のお家芸ではないでしょうか。

個人的に一番シビれたショットが、ハイライトの暴走シーンにて、娘を止めようとする母を制止する父のショット。これはかなりグッときた。とはいっても、1~2秒程度のショットなのだが、あそこで彼女に唯一の理解者がいる事を観ている我々は知る。しかし・・・当の本人は気づかないままこの物語は終わってしまう。とても憎くもあり切なくもあるこの描写のおかげで、彼女の行く先に妙な安心感を覚えてしまう不思議。あっさりすぎる印象のあるエンディングも、この感覚のおかげでフワフワした軽やかな後味を噛みしめる事ができました。

共感できないのは主人公だけかと思いきや、多くの人物もそれを拒みます。ってゆーか、観終わってみるとむしろ主人公のほうがマシに思えるかも(笑)。ちょっとでも主人公に共感できる部分があった人には、それだけで満足できる巧さを秘めた映画ではないでしょうか。
ただ、「映画には何よりも第一に感情移入!」ってなモノを求めてる方には、全く向かない映画でしょう。

僕はかなり笑わしてもらったのでとても満足できた映画でした。
こーいう重軽い(どーいうことだよ)映画、大好きです。
by inouewood | 2012-03-11 00:14 | 映画のこと

映画『ドラゴン・タトゥーの女』を観る

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とにかくこの映画は、劇場予告編の出来が良すぎる!!
L・ツェッペリンの「移民の歌」に乗せて~の、リズミカルなカットの連続はインパクト大。
あまり期待していた映画ではありませんが、おもわず観に行ってしまいました。


******************

で、本編もすごく好きです。
同じく「移民の歌」で魅せるオープニングもカッコイイですが、何よりもルーニー・マーラ!!完全に別人です。肝心の演技も、歩き方や仕草のひとつひとつに細かい違いを表現していて、わたくしシビれてしまいました。荒々しい役柄の中に、たまに見せる可愛らしさを垣間見る瞬間は更にシビれます。笑
もうひとりの主役、ダニエル・クレイグさん。どーしてもジェームズ・ボンド臭が出てしまいそうですが、今作は意外とそれもありませんでした。目が違いますよね。さすがです。

ちなみに、原作もオリジナルの映画『ミレニアム~ドラゴンタトゥーの女~』も観てません。
160分弱と長い映画ですが、ここはさすがD・フィンチャー監督。全く長いとは思いませんでした。彼の『ソーシャル・ネットワーク』然り、ちょっと古いけど『ゾディアック』然り、この手の映画に関しては、それを感じさせない音楽のセンス、リズムの良さ、編集の巧さは健在です。

オリジナル版がある映画なので、ストーリー的にはさほど新しさもないですし、メチャクチャ緊迫!!っていうほどのものでもないという感想ですが、(ちょっとネタバレですが)ラストの切なさはもう胸が「ギュン!」ってします。

タイトル通り『ドラゴン・タトゥーの女!!』として観れば、とても楽しめる映画なのではないでしょうか。少なくともね、僕は彼女にシビれっぱなしでしたよ(しつこいよ)。笑
by inouewood | 2012-02-17 01:36 | 映画のこと

2011年の映画

年末に作っていたのに、

なぜかアップを躊躇してました。笑


そんな

毎年恒例、ただの映画好きによる

どーでもいい自己満足の祭典です。






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-よろしければ、コチラから-





いやー、すっきりすっきり。


まあでも、

今年で終わりにすると思いまーす。


ではまた。
by inouewood | 2012-02-01 03:44 | 映画のこと

映画『50/50 フィフティ・フィフティ』を観る

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ガンを宣告された青年と、それを取り巻く人たちを描いたヒューマンコメディ。

とにかく「観てよかった!」という感想が真っ先に出てきます。
下ネタや汚い言葉のオンパレードですが、クソ真面目(失礼)に『命』を扱ったその辺の映画よりも、遥かに人間味が溢れている不思議な温かさに包まれたドラマです。
なんていっても、映画としての「救い」にもなっている、セラピスト役のA・ケンドリックと、母親役の名女優A・ヒューストンの存在は大きい。アナ・ケンドリックはとにかく可愛いすぎ(笑)。ひとつひとつのストレートな仕草がリアルで好感が持てるし、別の映画『マイレージ、マイライフ』でも魅せたその完成度の高い「らしさ」は、まさに「アナ節」とでも言いましょうか。それくらい虜になりました。もうひとりのアンジェリカ・ヒューストンもある意味可愛かった(笑)。子煩悩で甘い母親だが、強烈な目力があり芯の強さを感じさせる凄みがあった。まさに「母の強さ」といったところですかね。それがとてもナチュラルでした。
もちろん、個人的に好きなジョセフ・ゴードン=レヴィットもセス・ローゲンも良かったし、トータルでみた配役も見事。ブライス・ダラス・ハワードなんて可愛そうだけどピッタリな役だったし、お久しぶりフィリップ・ベイカー・ホールの不良っぷりもステキ。そして、まだ監督2作目とは思えないJ・レヴィンの細かい演出が、実は個人的にもっともシビレた点。あらゆるシーンでの人と人との「間隔」の技がなんとも素晴らしい。(ネタバレ御免!⇒)待合室での家族・友人とセラピストとの間や、息子に肩を掛けられちょっとだけ擦り寄る母の描写なんて特に印象的だった。ホント細かいところなんだけど気にすると何度でも観て堪能したくなります。

本来なら重いテーマになる「ガン」という題材を、ギリギリのコメディで見事に調和した温かい秀作ではないでしょうか。
この心地良い余韻は是非堪能してもらいたいですね。


満足度:☆☆☆☆☆
by inouewood | 2011-12-05 23:53 | 映画のこと

映画 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』 を観る

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いまや別格級のド迫力SFアトラクション映画となったシリーズ3作目。
もうワクワクが押さえ切れず、早速3Dで観賞してきました。

残念な事に、シリーズに欠かせない一部だったミーガン・フォックスがいない。ハマってただけに新しいヒロインには違和感があり過ぎた。それでも単純に代役にすれば良かったのに、キャラクターまで変えて挑んでいるため、ストーリーに無駄な説明が入るので、つまらないドラマが意外にウダウダと続く。この設定はさすがに大失敗だろう。他にも堂々と無意味且つ面白みのない展開で引っ張ってくれます。ちょっと脚本が酷いような・・・。前作の『リベンジ』も内外から脚本批判が出ていたようだが、それでも前作が凄かったのは、これでもか!っていうほど視覚的な部分で終始強引にごまかせていた点。今作はそれも弱く、さすがにごまかせなかった印象がある。この手の映画にストーリーを求めるのは酷だが、さすがにシリーズ3作目。マンネリは避けられない状況でこれはキツイ。
まあ、期待していただけに、センスのある捻りを求めすぎていたんでしょうね。あと、重い3Dメガネのせいか・・・。

それでもラスト約1時間に及ぶ怒涛のアクションは見応え充分。手に汗握ってました。今作はロボットだけじゃなく、これまで以上の「人」の見事な応戦っぷりも描かれていたのは素晴らしかった。ホント、アトラクション感覚なのでこの辺はこれ以上いう事がありません。笑
冒頭の宇宙のシーンや、後半のスカイダイビングなどは3Dで見る価値は充分にあるし、何だかんだいってしっかり楽しんできました。観て損することはまずないです。

最後に、J・マルコビッチにF・マクドーマンド、P・デンプシーといった大物のハッスルっぷりも必見です。

満足度:☆☆☆☆


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by inouewood | 2011-07-31 01:22 | 映画のこと

映画 『127時間』 を観る

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A・ラルストンの本を知ったのは6,7年前でしょうか。
とはいっても読んだことはないのですが、あらすじ程度は頭に入っていたし、ピッケルのような義手が妙に記憶に残っていました。
とにかく、この題材をあのD・ボイルが映画化するということで興味津々。観終わって感じたのは、やはり撮るべく人が撮ったという印象。引っ張るのが難しい内容だし、ありきたりな情を仰ぐ手法に流れそうだが、そこはさすがD・ボイルで、彼のセンスが抜群に活きた見応え充分の97分だった。
山好きにはたまらない効果もチラホラ。特にナルゲンボトルの底からのショットは、水分が失われていく危機感の描写としては見事で、もうひとつのハイドレーションチューブ内部のショットもおもしろい。何度か続ける事で、黄色い液体に変わったときに嫌なくらい味が伝わってくるので、こちらも嗚咽させられる。
効果的な音楽でまとめるラストは『28日後...』を思わせ、『スラムドッグ$ミリオネア』で完全にモノにしたテロップ技もしっかり活かされているので、D・ボイルファンの方も必見です。
未来に待つ「何か」のために生きる執念溢れるJ・フランコの力強い演技は見事だった。A・ラルストンのプロモーションビデオか!とも思える仕上がりだが、ラストではボロボロ泣かせてもらったし、とにかくひとりで山に行く事の多い僕にとって、改めて彼が伝えたいことのひとつがグサリと胸に突き刺さっている。
山好きも映画好きも満足できる素晴らしい映画になっていると思います。

満足度:☆☆☆☆☆


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by inouewood | 2011-07-16 00:49 | 映画のこと

映画 『SUPER8/スーパーエイト』 を観る

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期待はしてませんでした。笑
でもスピルバーグさんとエイブラハムスさんが手を組めば
充分見る価値のあるアトラクション映画になっているだろう。
と、いう事で、とりあえず観てきました。

とにかくシンプルです。ビックリするくらいシンプル。
で、スピルバーグ印のジャンルで、J・J・エイブラハムス監督が遊ぶとこうなります。っていう感じ。
そんな巨匠と同じ時代に生きて、彼も7,80年代で映画を撮りたかったんでしょうね。
そんな想いを主役の少年に託して、スピルバーグへのリスペクトを詰め込んだ映画なのかなと思いました。
少年たちが撮ってる8㎜映画のジャンルがまた良いんですよね。これだけで監督の映画バカっぷりが伝わってきます。

あんまり話さないほうが良いと思うので、全体的にオブラートに包んでいますが、最後に、CMなんかで『E・T』と『スタンドバイミー』がナンチャラカンチャラって言ってますが、あれは無視しても良いと思います。そんな感じで守備範囲を限定せずオープンに観たほうが、いろいろとキレイに感じるはずです。

観終わって最初は「・・・で?」って思ったけど、よく考えたら「SF映画って本来はこーいうモンだったんだよね。」って思える作品になっていると思います。多分。


満足度:☆☆☆☆


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by inouewood | 2011-07-06 20:22 | 映画のこと

映画 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』 を観る

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何気に全部映画館で観ているX-MENシリーズ。
今回はよくあるビギンズ物。
これもか・・・と、正直最初は興味がなかったが、
CMの出来が良すぎて「やっぱり面白そうかも。」と、なったわけです。

J・マカヴォイのプロフェッサーってどーなんだ?って最初は思っていたけど、これが凄く良い。
彼の芝居のうまさはこの映画の『人間的』な部分において相当効いていると思う。
時代背景としてキューバ危機を絡めたストーリーもなかなか良く出来ているし、K・ベーコンのハッスルっぷりも映画ファンとしては嬉しいところ。
他にも、この映画のキーにもなっているミスティークの存在や、ハンクの色々なくだり、カメオ出演のあの人など、これまでの作品を知っている人は素直に楽しめる素材もしっかり活かされているのはステキ。
あと、ハゲネタ。このシャレの効いたファンサービスがなんていってもイチバンでしょう。笑
VFXはもちろん素晴らしく、アクションも見応えアリ。それでいて、それぞれの苦悩のドラマも(SF映画としては)しっかり差し込みつつもペースが乱れず、ギッシリ詰め込んだ割にはバランスも良いので、2時間を越える上映時間でも、もっと伸ばせたんじゃ?と思うほど飽きることはない。
監督は今注目のM・ヴォーン。前作の『キック・アス』のような型破り感はさすがにないが、1秒たりとも間延びせず飽きさせないエネルギッシュな構成や、明と暗のナチュラルな使い分けは前作と同様に見事。

この映画を見た後に、TVで『X-MEN』のシリーズ最初の作品がやっていたので観たのだが、プロフェッサーとマグニートーのやりとりを見ていると、ふたりが歩んでいるそれぞれの『正しい道』において、今作の『分裂』を思い返すと、とてつもない哀愁を感じずにはいられなかった。今回の作品がそれだけしっかりしたテーマを持って作り込まれた秀作という事なんでしょうね。ヤラれました。

満足度:☆☆☆☆☆


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by inouewood | 2011-07-02 01:59 | 映画のこと