カテゴリ:映画のこと( 77 )

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』はどうだ


やってましりましたアカデミー賞作品賞です。



f0167636_21415084.jpg



とは言ってもわたくし、イニャリトゥ監督の作品には全くハマっておりません。
21グラム然り、バベル然り、難しいというか何というか、おつむが弱い私にはどこに感動しどこで共感したらいいのかがさっぱり分からないんですね。絵的にも殺伐とし過ぎていて夢がないというかなんというか。ファンの方ごめんなさい。

さて、そんな彼の作品ともあって、コチラも期待せず理解できなかったら寝ればいい位な心構えで挑みましたが、全くもって無駄な心配でした。なんてったって、いきなり僕の大好きなカメラ長回し。しかもそれがそのまま続き・・・もう背中がずっと浮いてましたよ。どーなってんだ?の連続。もちろん全編ワンカット風に上手く編集されているんでしょうが、それでも緻密な前調整があったんでしょう。このチャレンジには度胆抜かれましたし、ずっとニヤけっぱなしな私でありました。
まあでもベストオブ長回しといえば彼の同胞・キュアロン監督の『トゥモローワールド』でしょう。親友でもある彼に感化されたのかどうかはわかりませんが、なんとなく監督の意地みたいなモノを感じました。
(しかもキュアロン氏は前年のオスカーで監督賞を『ゼロ・グラビティ』で受賞。2年連続でメキシカンが監督賞獲ってしまった事を心配する旨のイニャリトゥ氏のスピーチは面白かった)

前述の通り、勢いと演者の会心の演技で押し切っている作品なわけですが、手法上カット割りも無いのでどちらかというと舞台的なお芝居で皆さん弾けていたのがとても心地良いです。
まあ、なんて言ってもマイケル・キートンでしょう。バットマンで登りつめた彼の顛末と被るような内容で、そのシンクロ度がより痛快にさせます。そしてそんな主役を全く支えない(笑)E・ノートンの怪演もまたお見事でスリーベースヒット。味のある面倒臭さは彼にしか出せないまさにハマり役だと思いました。他にも性格がどれもこれも被らない女性陣3人衆と、結構強烈だったのは『ハングオーバー』シリーズのザック・ガリフィアナキスが一番まともな役という皮肉。この配役はとても面白かったですね。

ストーリーについてはあまり多くは触れませんが、とにかく怒涛のセリフ合戦です。正直、掴みどころのない会話も多々ありますが、その無茶苦茶感が“ショービズ界”への皮肉を込めた描写をより堪能させてくれたような気もしました。そしてこの見事過ぎるタイトルへと繋がるわけですね。
この映画のタイトルはあくまでも『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』これでひとつです。。こんな素晴らしいタイトルはなかなか付けられるもんじゃありませんよ。あっぱれです。

E・ストーンが見上げるラストシーン。僕はそのままストレートに受けとめています。現実か空想かなんてのはどーでもいいんです。劇中でM・キートンが女性批評家を全力でおちょくっていたように、イニャリトゥ監督が“常識にとらわれ過ぎる世の中”をおちょくっているんじゃないかと。そういう解釈のほうがより痛快だし、折角ならそんなフリーダムなイメージであってほしいという願望もちょっぴりあったりもします。

と、いうわけで、初めてイニャリトゥ監督の作品がハマりました。何よりもそれが嬉しかったわけですけどね。
ホント、映画好きにはたまらない挑戦的・挑発的な映画でした。
あと、BGMのドラムはもうホームランですわ。カッコ良過ぎて最後までノリノリ。
by inouewood | 2015-04-26 22:17 | 映画のこと

映画『イミテーション・ゲーム』はどうだ


やってまいりました。
アカデミー脚本賞受賞作です。



f0167636_21413850.jpg



第二次大戦下、ドイツの暗号「エニグマ」の解読が主な内容かと思っておりましたが、どうやらそんな単純なものではないようです。メインの戦時を軸に3つの年代を描いている本作ですが、実在するA・チューリングという人間を通して当時の社会を重く描いています。諜報という無情さ、恋愛、重い幼少期。彼のそのいくつもの苦悩が重石のようにスリラー要素を押さえ付けてる印象なわけですね。彼もひとつの時代の犠牲者であり、その描写がとても切なくもあります。その後に描かれるのはイギリス政府がずっと隠してきた事実なわけですが、これがまたなかなかきついんですね。数学者の域を超えた偉業、その多くの犠牲を思うと、言葉にはならないものがあります。一貫して浮つかない展開は飽きる事がありません。

さて、何と言っても圧巻なのは主役のV・カンバーバッチでしょう。もう完璧過ぎてビビりました。同じく社会派『裏切りのサーカス』で魅せた若手のスパイマンとはとてもじゃないが同じ演者とは思えません。脇を固める筆頭のK・ナイトレイも地味に効いてました。か弱さの中の強さ、お釣りがくるほどのそのサポート力は抜群です。他にもC・ダンス安定の嫌な奴、M・ストロングらしい無表情の諜報部トップと安心のベテラン陣はもちろんですが、映画好きになんとも嬉しいM・グードの配役も忘れてはいけませんね。「オジマンディアスや!!」って思った映画好きは恐らく僕だけではないはずです(笑)。今作も大満足の脇役陣でした。

そんなこんなで、前述のようにこの映画はただの暗号解読スリラーではありません。かなり高濃度の人間ドラマなので、”感情移入系”な方にはどっぷりハマれる事間違いなしです。
観ようかどうか、ちょっとでも迷っている方は是非ご覧になる事をおススメしたい一本です。
by inouewood | 2015-04-01 22:18 | 映画のこと

映画『アメリカン・スナイパー』はどうだ


やってまいりました。
イーストウッド監督話題の新作です。



f0167636_2239941.jpg



がしかし!
映画を観る前に余計な情報を耳にしてしまいました。
この映画、主演のブラッドリー・クーパーが自らプロデューサーとして企画してきた作品なわけですが、WOWOWでのアカデミー賞授賞式の中継にて、映画コメンテーターの方の「B・クーパーが主演男優賞をどーしても獲りたいのでイーストウッドに監督を頼んだ映画」発言で懐疑心マックスです(笑)。あぁ、なんてことを。自然とクーパー氏の表情ひとつひとつに疑念を浮かべ、彼の目ん玉にオスカー像がチラついているのではないかと心眼を開いて終始構えてしまいました。純粋にクーパー氏の演技が入ってきませんでした・・・反省です。

さてこの映画、戦場シーンと国内シーンとに大きく分かれております。あくまでも個人的見解ですが、戦場シーンに関してはイーストウッド師匠らしさを感じませんでした。そこからのらしい国内オフシーンとの繰り返しが個人的にどーしても・・・おっとこれ以上は言わないでおきます。良い映画だった事には変わりないので。好き過ぎて「イーストウッド映画って俺の中ではこーなんだよ」といった思い込みが邪魔してしまったわけですね(最近では『J・エドガー』が全く受付けずw)。もう自分、反省だらけっす。

<以下、ネタバレ>
ストーリーとラストの描写に関してちょっとだけ。
長いトンネルを抜けた矢先の悲劇。これはもう虚無しか襲ってきません。この現実をどう感じ取ったか。そこでラストの「旗振って見送り」シーンの意味が各々違ってくるのかもしれませんね。僕は少し皮肉な感じを受けました。その悲劇は戦地ではなくアメリカで。英雄に仕立てた男ですら救えないアメリカ。じゃあ誰が救ってくれるの?戦地で戦う意味とは?アメリカって何?しっかりしてよアメリカ!みたいな。
愛国心が一際強かったはずのクリス・カイル。彼は時間が経つにつれてそこに疑問を抱いていったのではないでしょうか。いつしかその使命感を、戦地で仲間の命を次々に奪っていく相手国スナイパーを仕留める事への執着にすり替えていったように僕は捉えました。そうやってPTSD気味だった自分を抑えていたのではないかと。そんな受け取り方なので、僕には非常に熱い反戦映画として写っています。
話題になっている”無音”クレジットも、答えは提示してませんよ、といった対処なのかと思いました。音楽の持つ力の大きさは、自ら作曲もするイーストウッド師匠が一番よく分かってらっしゃるはずですから。

こんな感じで、考えれば考える程深みにはまる映画。
観終わった瞬間よりも1週間後あたりに思い返してみると、この映画はより味わう事が出来るのではないでしょうか。


by inouewood | 2015-03-24 23:46 | 映画のこと

さよなら、スポック


先日
あのレナード・ニモイさんが亡くなったという。


f0167636_20461033.jpg


L・ニモイといえばMr.スポック。
Mr.スポックといえばL・ニモイ。

彼ほど、ひとつの役のイメージが圧倒的に占める役者さんもいないんじゃないかと思う。


(そういえば・・・LINEの絵文字の中に、バルカン人の挨拶(上画像の手)があったのはテンションあがったなW)



そんな『スター・トレック』という映画の存在は
個人的には『スター・ウォーズ』より遙かに上をいく。

僕がそんなプチトレッキーになったのは
”データ”と”スポック”の存在と言っても過言ではない。

あぁ、蘇るスタートレックの思い出・・・。


勿論、TOSシリーズは年齢的にリアルタイムではない。

僕が映画バカ学生だった頃のリアルタイムは
TNGシリーズの『ファースト・コンタクト』と『叛乱』。
どちらも上映前にパンフレット購入し、握りしめながら鑑賞していた事を覚えている。


・・・・。


さて、そんなスタートレックシリーズ。
TOSシリーズから最近のJ・J版までのここまで12作(TVは除く)。

個人的にその中でも跳びぬけて好きな作品が2つ。


『スター・トレック2 カーンの逆襲』
f0167636_20462865.jpg


なかなか真面目な作品で、終盤の静かなスペースバトルは今見ても緊迫感満点。
どうしてもあのイメージが濃いので、この作品が影響するJ・J版リブート『イントゥ・ダークネス』は
スペースバトルが少ない分物足りなさを感じてしまった。それくらい僕は好きな作品。



『スター・トレック4 故郷への長い道』
f0167636_20464662.jpg


どこか軽い感じながら、さりげない環境問題描写や
過去(いわゆる現代)にタイムスリップする滑稽さやバタバタ感がとても良かった印象。
『カーン~』とは真逆の作風ながら、一番観てて気持ちの良い作品だ。



ただ、一番好きなシークエンスはどちらの映画からでもなく
『スター・トレック5 新たなる未知へ』での冒頭のヨセミテキャンプのシークエンス。
作品としてはあまり評価が良くないらしいが、あの冒頭はとにかくホッコリして好きだ。
確かに、それまではたいして何とも思わなかったシークエンスだったと思うが
昨年シリーズ全てを見返した時になぜかここが一番響いた。歳か・・・。



そんな、カークとスポックとマッコイ。

f0167636_21111074.jpg


彼らの何ともないやりとり。
仕事上の同僚だが、「どこまでも仲良しだな。」とツッコみたくなる。
性格の全然違う3人だが、それぞれを理解し合っているからこその遠慮のない関係。
こんな理想的な仲間はない。

その関係はどうも
”山と理想の山仲間”という事にも通ずるところがあるのかもしれない。

おそらくそれが
この歳になった自分に響いた一番の所以なんだと思うわけだ。


あぁ、山とスタートレックが好きで良かった。


・・・・。


さて話を戻すが、L・ニモイさん。
J・J版リブート2作品でも元気な姿を拝ませてもらっていたので本当に残念でならない。

先日、ネットでは
彼の葬儀にW・シャトナーさん(カーク艦長)が列席しなかった事に批判が・・・
という記事があったが、逆に

「なんともカークとスポックらしくていいじゃないか。」

なんて思ったファンも多かったに違いない。

少なくとも僕はそうだった。


最後の最後まで話題となった彼らの”関係”。

そんな
いろいろな事をたっぷり妄想させ
そして考えさせてくれた彼に「ありがとう」と言いたい。


今日はそんな
珍しい映画小噺風日記でさようなら。
by inouewood | 2015-03-04 21:48 | 映画のこと

映画 『6才のボクが、大人になるまで』 はどうだ


やっと観れました。

こちら栃木ではだいぶ遅れての公開であります。



f0167636_2282876.jpg



いやぁ、12年ですよ。
企画したエネルギッシュなR・リンクレイター監督を、僕は拝みたい気分です。
この映画、年に1回、1週間だけ集まって撮影を行う。それを実際に12年続けて作られたわけです。
しかも、最初からシナリオが出来ていたわけでなく、1年に1回話し合って決めるというスタイルだったそうです。
だとしたらどこかで「今年くらいはちょっと派手な展開でいこうよ!」なんて気まぐれも出てきそうですが、描かれるのは本当に普通の生活です(笑)。だからこそ生まれるリアル。僕にはそこが逆に痛快で痛快で。

この映画の偉業のひとつは、何よりも誰一人欠けることなく完遂した事ではないでしょうか。
そういった意味でも俳優さん達に恵まれたのであろうこの作品ですが、なんていってもメイソン少年を演じたエラー・コルトレーン君の奮闘、これはやはり外せませんよね。このフィクションと共に、彼の少年期(BOYHOOD)も同時に捧げた映画なわけです。そんな彼演じる6才だった少年が18才になり青年期へと突入するまでを皆で”暖かく”見守る映画なんですね。当たり前なんですけど、成長していく男の子がいずれも同じ目をしているんですよ。これはとても不思議な感覚でした。そして地味~に親父に似ていく描写がとても憎い(笑)。妙に説得力があったのはこの実際の成長を利用したからだと思っておるわけです。

お次は親父役のイーサン・ホーク。これはもう間違いないですよね。リンクレイター作品と言ったらやはり彼。それだけに「一人だけやたら”素”っぽい人がいるなぁ。」なんて感じたのですが、もちろんそれはホーク氏でした(笑)。彼の12年の中での変化もとても大きな役割を担います。(一つだけネタバレなのですが・・・)終盤に彼がハイスクールを卒業したメイソン君にちょっとしたアドバイスを送ります。そこでメイソン君がすかさず「で、要点はなに?」と問うと、彼は「要点なんかねーよ(笑)!!」と一言。いい加減っちゃいい加減なんですが(笑)親父の息子に対する願いと彼の送ってきた人生がこの一言に凝縮しているわけです。どんなに説教臭い映画よりもよっぽど響くセリフだなぁと、感慨深くなったもんです。

母親役のパトリシア・アークエットも忘れてはいけませんね。最初に12年前の姿を見て「さすが、あんまり変わってないなぁ。」なんて思ったわけですが、それもそのはず、僕の中でパトリシア嬢のイメージは10年前くらいで止まっていたわけですね(笑)。なんだそーいうことか。と、そんな事はドーデもよくて、時が経つにつれて彼女もいろいろな意味で貫録が増していきます。その変化はまさに”メリル・ストリープ化”といったところですね。子供と仕事に必死に打ち込む姿にホントに「ご苦労さま」と声をかけてあげたくなりました。これは親父のイーサンにも言える事なのですが、子供たちの成長を描くという事は同時に親たちの衰えも描かれるという事。そんな彼らの姿を見て「時というものは・・・」なんて、鑑賞後にひとり浸るわけです。

最後に、時間だけみると165分という長い映画ですが、正直全然長く感じませんでした。むしろもっと長くても良い。それくらいハマりました。でも「実際に12年・・・」云々の事情を知らずに観たら、ここまでハマらなかったかもしれませんね。
そんなこんなで、製作面のバックボーンを知る事でより楽しめる、なんだか新しいエンタメを体験した印象でした。

改めて、「映画って凄いなぁ。」と、思わされた一本です。


<追記>
パトリシア嬢はおそらくアカデミー賞助演女優賞獲るでしょう。
もし獲らなかったら・・・まあ何も起きません。

・・・・。

失礼しました。
by inouewood | 2015-02-01 00:39 | 映画のこと

映画 『ゴーン・ガール』 はどうだ


やってまいりました。
我らがデヴィッド・フィンチャー監督の最新作です。



f0167636_1304081.jpg



※この映画、ネタバレなくしては何も語れません。笑
控えめには書いてますが、「これから観る!」という方は読まれない事をお勧めします。


はい、今作もまた宣伝の煽りがなかなか上手いですね。
完全にこの映画、重苦しいミステリーかと思ってました。実際、序盤は緊迫感満点のミステリー風味で展開されます。ここでしっかり釘づけにするのはさすがフィンチャー先生なのですが、それが中盤で一度リズムを変えると、そのまま唖然とする方向へ・・・。
正直、ビックリしました。ストーリーや視覚的な演出がというわけではなく、「こんなジャンルの転換で成立させる映画って凄い・・・」というビックリです。もちろんいい意味ですよ。

そうなんです。
この映画、僕はコメディだと感じました。

もちろんその中盤以降からなんですが、急にブラックユーモアをたっぷりブッコんできます。本当にブラックですし、それなのにこんな雰囲気の映画ですから(笑)あまりアメリカ映画を観ない人はただただ不快になるんじゃないでしょうか。この手のブラックコメディに免疫が出来ている人にはクスクス笑いの連続だと思います。終盤のB・アフレックが耳元で囁く「クソ女!」のシークエンスは思わず爆笑してしまいました。まさかこんな手法でくるなんて、完全にしてやられた気分です。もっと語りたいシーンが沢山あるんですが、ネタバレもいい加減にしろ度が治まらなそうなのでこの辺にしときます。

さて、この映画も演者さんたちがアッパレです。
こんな役だからこそ!なベン・アフレックはもちろんですが、なんて言ってもエイミー役のロザムンド・パイクですね。これはもう凄いの一言です。数年前に初めて彼女を観てから、わたくしすっかり惚れていました。今作はとにかくえげつない行動を起こす危険な雰囲気を醸しながらも、彼女の専売特許ともいえる純粋無垢な瞳を時折ちらつかせます。更に惚れました(笑)。こんな役も出来るなんて、ビックリ満塁ホームランですね。
そしてそして個人的にスリーベースヒットだったのが脇役の3人。メガネ姿に萌える妹役のキャリー・クーン、明らかに楽しんでる風の弁護士役タイラー・ペリー、エイミーも引くほどのヤバそうな雰囲気マックスのニール・パトリック・ハリス。この3人が見事にこの映画を”繋いで”くれています。ああ、脇役万歳。

とにかくこの作品。”ストーリー”だけをみれば、ただただ後味が悪いです。
なのに、”映画”としてはなんとも良い気分にさせられる不思議。この感覚は初体験かもしれません。
なんていうか、我が師匠ウッディ・アレン監督のようなシニカルなコメディをフィンチャー先生が撮ったらこうなる的な感じでしょうか。・・・違うかな・・・。笑

なにはともあれ
「映画が好きでたまらない!」という方は、絶対に観ておくべき映画だと思います。

ああ、なんか凄いモン観ちゃったなぁ・・・。
by inouewood | 2014-12-17 21:34 | 映画のこと

映画 『インターステラ―』 はどうだ


今年に入って
インドア系ブログなんてモノも始めてみたわけですが
僕みたいなモンが2ブログを使い分けるなんて出来るわけもなく。
面倒臭いので向こうはお休みする事にしました。笑



はい。
そんなこんなで先日
今年最も期待していたと言っても過言ではない映画を観てまいりました。



f0167636_2346948.jpg



まあ、言ってしまえば
僕はノーラン信者です。笑。

そんな『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督の最新作ようやく。

この人が宇宙を描くなんて想像も出来ない、なんて思っておりましたが、まあそこはさすがノーランさん、しっかり人間味のある重苦しいドラマを主体にしてくれております。
キューブリックの名作『2001年宇宙の旅』と比較する声もよく聞くのですが、どうなんでしょう?個人的にはそーいう見方は好きじゃないのでまあどーでもいいのですが、少なくともこの映画には昨今の”ヴィジュアル重視”、”何か分かんないけどとりあえず壮大ではあるSF映画”みたいな縛りは正直あまり感じません。色々と難しい言葉は出てきますが、やはり人間性の方が重視されている印象です。

観終わって一番感じた事は、やはりこの映画をSF映画の枠の中で語りたくないなという事でした。
SF的な”科学”や”確率”や”視覚的神秘”よりも、人間的な”直感”や”時間”や”愛”をフォーカスしているように僕は感じてます。じゃあこの映画のジャンルは何だよ?と言われたら、もう「ノーラン」と答えるしかないですね。笑

そんなこんなで、今作はとにかく切実過ぎる”時間”と”愛”の描写がグンと重くのしかかります。3回くらい泣かされます(笑)。特にワームホール一発目からの件はもうまさに号泣。勘弁してくださいってくらい泣きました。ネタバレになるのでこの辺にしときますが、まさかノーラン映画で泣かされるなんて思ってなかったのでちょっと悔しいですよ、はい。

さて、主役は今最も人間臭い俳優M・マコノヒーです。なんなんですか一体、このハマり具合は。完璧過ぎますよ。そしてめでたくノーラン組となったA・ハサウェイもらしさをしっかり振りまいており、同じくノーラン組筆頭のM・ケインはもう安定しまくり。脇役の豪華さにも驚きました。安心のJ・チャスティンにC・アフレック、お久しぶりW・ベントリーに、燻してますJ・リスゴーにW・ディヴァイン、更にはE・バースティンまで。そして突然のシークレット大物登場には思わず口を押えてしまいました。いまやこういった豪華な出演陣もノーラン映画の醍醐味のひとつとなってきたのも嬉しいところですね。あと、忘れてはいけないのがロボットの異様な存在感。あの造形と一つ一つの動き、そして人間味の含んだ声。これはどれも僕のツボでした。

最後に、この映画を更にひとつ上のグレードに持ち上げたのはやはり音楽でしょう。ノーラン映画といえばハンス・ジマーですね。しかし、今作は今までのようなジマー的サウンドとは一線を画します。それが個人的に嬉しい誤算というか、とても新鮮な感じがありました。パイプオルガンを主にしたスピリチュアルというか神々しいというか、そんな感じです(笑)。特に終盤に差し掛かる”ドッキング”シーンでの音楽とヴィジュアルの融合はもう完璧過ぎて、背筋伸びました。まさに相乗効果なくしては生まれなかったあのシーンの美しさはもう一生忘れられないと思います。そしてラスト2,3分に畳みかける、ストーリーと絡み合うサウンドは『ダークナイトライジング』を思わせる締まりの良さで鳥肌が立ちました。ノーランと組むジマーはホント最強だと思います。

そんなこんなで
インターステラ―、最高に面白い映画でした。
翌日に『フューリー』を見に行く予定でしたが、もう少し余韻に浸りたくて延期したほどです。笑
いやーこれは本当にもう一回観に行っちゃうかもしれない・・・。





by inouewood | 2014-11-29 01:11 | 映画のこと

映画『GODZILLA ゴジラ』はどうだ



f0167636_241632.jpg



やってまいりました。
日本が誇る怪獣映画のハリウッド再リメイクです。
はい。エメリッヒ版のホロ苦い記憶を引きずっております(僕だけではないはず!)。
そんなこんなで期待せずに身構えてたわけですが、オリジナルに近い容姿で少しホッとしました。とは言っても、さほどオリジナルを見ているわけではないのですが、やはり日本版ゴジラに思い入れが強い方には受け入れ難いのでしょうね。と思うのですが、皆さまどーでしょうかね。
まあ、わたくしにはあの唖然としてしまうスケールを堪能出来ただけで満足。やはりあの強烈なまでの人間の無力感を体感する映画なんだと思っているわけですね。そーいう”アトラクション度”でいえば、とても新鮮な感覚でした。そうそう、新鮮といえば「スカイダイブ」のシーンですよ。あれはアメリカ映画でないと出来ませんよね。主観映像で展開されるその何十秒間、わたくし呼吸が止まっておりました。美しくも緊張感溢れる名シーンです。あっぱれ。

もちろんこの映画、怪獣以外にも俳優陣の頑張りには目が離せません。なんていってもブライアン・クランストンでしょう。『アルゴ』で彼を見た時に”華のないチャールトン・ヘストン”と以前に称した事がありますが(ファンの方ごめんなさい)、今回はもう存在感ありすぎて中盤以降いなくなってからがやたら違和感ですよ(笑)!おかげ様でアーロン・テイラー=ジョンソンが・・・。まあそんな彼も後半のハッスルでしっかり取り返しますけどね。
そして個人的に舐めてたエリザベス・オルセン。冒頭の初見のみで「ビッチなルーニー・マーラってとこかな」なんて思ってましたごめんなさい。とても真面目な女性で、気持ちが溢れまくった素晴らしい演技。お見事でした。ホントごめんなさい。
ケン・ワタナベはもう安定のナベケンクオリティ(意味不明)で安心して見ていられます。残念だったのがその反面、助手役(?)のサリー・ホーキンスがちょっと控えめ過ぎたんじゃないか?と感じた事でしょうか。ホント、もったいない!脇役好きとしてはもう少しアクを出してほしかったというのが本音でございます。


一部から「ゴジラの登場シーンが少ない!」と、言われているようですが・・・いいんじゃないでしょうかコレくらいで。監督は端っから続編作る気マンマンだったでしょうから。これくらいにしておかないと続編へのワクワク感減っちゃいますからね。マーケットを充分に意識した対策だったと、わたくし思い込む事にしています。

なにはともあれ、きっちり続編も決まったらしいので、今度はどんな体感を提供してくれるのか、今から楽しみに待つことにします。
by inouewood | 2014-08-20 18:39 | 映画のこと

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』はどうだ


やってまいりました。
ダグ・リーマン監督の新作です。



f0167636_022983.jpg


彼といえば『ボーン』シリーズですが(監督は「アイデンティティ」のみ。後2作は製作。)、この人の映画はなんて言ってもテンポが素晴らしい訳ですね。『Mr.&Msスミス』然り『ジャンパー』然り。毎回キッチリ2時間以内に映画を収める潔さは見事です。
(なんだか、彼の初期の『スウィンガーズ』とか…懐かしいなぁ。)

はい、今回もこの複雑なループモノをこれだけスピーディーな展開で且つ分かりやすく表現してくれます。この手特有のしつこさもなく、この現象を上手く利用した気の遠くなるような感情描写が見る側にも苦しさを増長させ、クライマックスのガムシャラ感に潔さを与えます。
戦闘時はもうゴッチャゴチャですがその迫力は最高。中でも『車』での対決は思わず笑ってしまうほどの熱さ。あそこは特に素晴らしいですね。

そしてトム様ですよ。最近の『オブリビオン』も相当良かったですが、今作の方がよりハマっている印象です。この役はトム様じゃなきゃダメ。前半のダメっぷりが妙に引き立つのはやはりビッグスターが演じているからでしょう。
そして、観るまでは「この役にエミリー・ブラントってどーなの?」なんて思ってましたが・・・もうホント、ゴメンナサイですよ。素晴らしかったですよ。前半に軍の宣伝としてひけらかすヒロイズムと、現実の泥臭さのギャップがとってもE・ブラントで(意味不明)でいやはや素晴らしいです。
全体的に脇役の印象が弱い点が脇役好きとしては少々残念ですが、唯一B・パクストンのヘナヘナっぷりがさすがベテランの安定感でホッコリします(笑)。さすが名脇役!!

とにかく、テンポの勝利。これに尽きます。
あっぱれ、D・リーマン。


by inouewood | 2014-08-18 00:20 | 映画のこと

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』はどうだ


やってまいりました。
ウェス・アンダーソン監督最新作。



f0167636_025434.jpg



配給元がやたらと宣伝に力いれてますね。

あのTV宣伝は嫌いです。

・・・・・。
おっとポジティブレビューの場で失礼しました。

さて、彼の前作『ムーンライズ・キングダム』でもしっかり置いてけぼりにされた私ですが、この監督独特の世界観がどんどん凝ってきていて、雰囲気だけでも充分楽しめる映画にはなっているわけですが、まあ何よりもそんな美術面のレベルアップ度が半端ないんですね。あぁ、『天才マックスの世界』あたりが何とも懐かしい~。

そんなこんなで今作ですが、前述の通り世界観がこれでもかというくらいスケールアップしています。もうホント、これだけで度胆抜かれます。それでいて、ロープウェイや展望台等の視覚効果で見せる「手を抜くところは抜く」そのチープなおシャレがまた可笑しさを増幅させるわけですが、その辺の加減とバランスがまた見事なんですよね。素晴らしい。

<以下、サラリとネタバレ>
まあなんて言っても、普通の映画なら真っ先に削るような『捨てカット』の多い事多い事。それさえも巧く利用する技が今作はとにかく冴えていて、廊下を歩くカットの連続なんて完全に無駄なのに、いちいちキレイな描写で「プッ!」っとさせられます。
更には「この建物どーなってんだ」的な脱獄シークエンスや、お馴染みビル・マーレーから始まる“同盟者”たちのクドいシークエンスなど、とにかく高インパクトなツッコミ所が満載でコチラも笑みが止まりません。
そしてなぜか個人的に一番ハマったのがソリのチェイスシーン。チープな展開で魅せる衝撃的なカーブシーンに「曲がんのかよ!」とひとりツッコミ大爆笑。いやはや…やられました。

さて、豪華の俳優陣にももちろん注目。
なんてったってレイフ・ファインズですよ。意外でした。こんな役までこなせるなんて。彼のハッスルっぷりはもう感動です。
いつものアンダーソン組は割とチョイ役が多く、彼とトニー・レヴォロリのコンビ芸(?)が主ですが、もうこれが秀逸。全く臆しない堂々たる演技を見せたトニー君のキャスティングはまさにホームラン。レイフ様と併せて2者連続ホームランでしょう。
他にも意表を突かれる登場のハーヴェイ・カイテル、お久しぶりジェフ・ゴールドブラム、らしいといえばらしいウィレム・デフォー。更にはフランス名優マチュー・アマルリックまで出ちゃう始末。で、しっかりこの世界観に収まっているわけですから、もうたまりません。

とりあえず言える事は、W・アンダーソン映画では間違いなく個人的にNO.1です。
彼の作品はちょっとでも見る側のペースが乱れると、完全にこちらが置いてかれる異色な人間喜劇的作品が多いので、今作のようなスラップスティック的な映画のほうがより気楽ですし、個人的にはありがたいんですね。

最後に、見事にまとまった音楽も最高でした。エンディングの楽曲なんかは、”コサック的ダンス”を踊るオジさんと一緒に、もうノリノリで聞き入ってしまいました。間違いなくサントラも買います。最後の最後まで楽しませてくれる、オシャレで笑えてルンルンなエンターテイメント。と、いったところでしょうか。あっぱれです。


by inouewood | 2014-06-19 00:24 | 映画のこと