映画 『ミスト』を観る

平穏な町に暮らすデイヴィット。巨大な嵐に襲われた翌日、彼は息子と隣人を乗せスーパーへ買出しに行く。デイヴィットがレジに並んでいると、外は軍隊が通り、不気味に霧が立ち込める。するとその霧の中から血を流した男性がスーパーに駆け込んできた。「霧の中に何かがいる!」そしてスーパーは完全に霧に包み込まれた・・・・。

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とりあえず、僕は大好き。
でも、観てると胃がキリキリ。観終わった直後はさらにキリキリ。
大傑作かと言われればそうではないし、はっきり言っておススメもできません。
カップルでのご観賞は避けましょう。
子供がまだちっちゃいご夫婦は特にご観賞は避けましょう。
ただそれでも僕は、素晴らしい映画だと思う。

これほどの絶望感に陥れられる映画は初めて。
『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』の監督・原作者コンビの作品として有名なのだが、F・ダラボン監督はそれらの作品で染み付いた自分の<イメージ>をいい意味で悪用(?)したのかもしれない。ある意味ステキ。

はっきりいってCGは安っぽい。まあ、そこから着眼点をずらすための狙いともとれるし。あと、ラスト以外は原作を忠実に描いたと僕は思っているので、ベタな展開にも見えるかもしれんし、演出にも限界があったはず。ただ「人間」というもっとも身近な恐怖を見事に絡めて描いていたと思う。
そして手法の素晴らしさ。カメラの写し方とBGMをなくすことで生むそれはとてつもない臨場感に煽られ一味違うドキドキを味わせてくれた。

僕はこの映画がホラー映画の身をまとった立派な社会派シリアスドラマだと思っている。それを成立させるためにはあのラストは必要不可欠だったのかもしれない。
たったラスト5分のあまりにも残酷であり皮肉でもある結末が、それまでの論争をとてつもなく際どい問題に変身させたのではないだろうか。
そして最後の絶望からもうひとつ受け取ったもの。それは「希望」をゴリ押しする薄っぺらい映画よりも、はるかにリアルで重みのある「希望」だった。
映画の新しい「力」を生み出した作品だと僕は思う。


満足度:☆☆☆☆☆
by inouewood | 2008-05-30 11:55 | 映画のこと
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