硫黄岳、本沢。雨のち晴れ。 PART4


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硫黄岳。




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予想以上に多い登山者が
この広い山頂に散らばっていた。








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振り向くと
北側のガスは抜けていた。




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おお。と唸り、しばし眺める。

もしかすると
今振り返れば赤岳を中心にしたその核心部が姿を現しているんじゃないだろうか。

そんな期待を胸に、プイと振り返る。




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まだだった。

今か今かと、その時を待つトー・ヤム・クン。


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青空は出てきたが
目の前のパノラマはなかなかオープンしなかった。


とりあえず、僕は座椅子に腰掛けてもう少し粘る事にした。




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Photo by KEITARASTA



こんな感じなので
皆、横岳まで行く気は既にないらしい。


ただ、ジッとしているのに耐えかねたジュンメンとケイタラスタさんは

「爆裂火口の縁を走ってくる。」

と、パッと駆けていった。




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立ったり座ったり、フラフラしている私。

というのも、トイレに行きたくて我慢しているのだ。

早くキレイな絵が撮りたい。が、現れない。

「参ったね。」

と、いう感じの私。




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Photo by TOH-YAM-KUN



いやそれにしても
やはりこのグラサンをしているとベテラン度が増すな。




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火口ランは
ジュンメンが勝ったようだ。




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そして肝心のコチラ。




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これが限界だった。


そして、僕の便意も限界にきているらしい。

おそらくはこのまま下山する事になるのだろうが
火口を満喫しているふたりが戻ってくる気配はなかった。

彼らの帰還を待っている余裕も、僕にはなかった。

「俺は、ダメだ。」

と、トー・ヤム・クンに言い残して
僕はより近い硫黄岳山荘まで、ひとり進む事にした。




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しかし、そこまでは思いのほか時間が掛かり

(これは、皆をかなり待たせてしまうかもしれないな・・・)

と、懸念しながらトイレに駆け込んだ。




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「フー。」とスッキリすると

売店のグッズを物色したい気を抑えて皆が待つ場所へ戻ろうとした瞬間

あるモノが目に飛び込んできた。


『白玉ぜんざい 500円』


こ、これは・・・

食べたい・・・食べたいぞ。

でもどうしよう・・・皆を待たせている。

悩んでいたようで答えは端からひとつだった。

(気にするな。食べてやろう。)

と、スマホを取り出し

「先に下山しててくれ。」

と、伝える事にした。


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が、電波が入らない。

おかしい。さっきまで入っていたのに。

少し登り返してみたりして、電波の入る地点を探す。

(クソ・・・ダメか・・。)

と、あきらめかけたその時。

目の前のガスの中から
見覚えのある3人の姿が湧き出てきた。


歓喜のあまり僕は涙を流していたとかいないとか。


ひとつ言える事は
この山行で一番嬉しかった瞬間だということだ。


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そして




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僕とトー・ヤム・クンがそのご馳走を頬張る事に。

美味い。

そして

美味い。


よく美味しい物を食べて「幸せ~」とか言う人がいるが

この時の自分はまさにそれだ。


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さて、皆は売店のグッズを物色している。

僕は迷う事なく山荘オリジナルのソックスを購入。


そしてひとり、なにやらずっと悩んでいる者がいる。

山荘オリジナルのナルゲンボトルを買おうか迷っているらしい。

既に1リットルのモノしか残っていないらしく、それが彼を迷わせているらしい。

「1リットルは・・・使わないよな・・・。」

との事らしい。


悩みに悩んで

これだ。




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買った事の後悔よりも、買わなかった事の後悔のほうが嫌いだと言う。

そんな勝ち誇る男、トー・ヤム・クン。




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念のため補足しておくと

僕が勝手にベトナム料理みたいなネーミングにしてしまったわけだが

彼は日本人である。




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あしからず。


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そんなこんなで時間がだいぶ押してしまった。

10時20分

早いとこ下山してしまおう。



コマクサは

終わりかけだった。




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硫黄岳山頂は相変わらずのガス。

再びその頂に立った時は、登山者が更に増えていた。




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止まる事なく、そのまま本沢温泉まで引き返す。




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さようなら。

硫黄様。




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12時前に本沢温泉に戻ると
まずはテントの撤収だ。

その後に小屋で昼飯でも食おうか、という予定だったが
どうやら午後に雨が降る予報らしい。

ならば降られる前に下ってしまおう、という事で
そのまま重いザックを背負い、驚く程のハイペースで下山した。


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・・・・


やはり、僕は八ヶ岳が好きだ。

この落ち着き払った風情というか独特のスケールというか
とにかくそんな感じの何かが自分に良く合っているんだと思う。

とはいっても、縦走してやろうみたいな気にはならないわけだが。

ひとりでのんびり。

時には皆でのんびり。

その都度巡り合う新たな発見。

快晴の稜線。雨の森。


全天候型感動山域。

おっと、ベタ褒めはここまでだ。


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14時30分。


4人の山旅は終わった。




おわり
by inouewood | 2015-08-17 01:07 | 山のこと
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