映画『チャッピー』はどうだ


やってまいりましたブロムカンプ監督最新作です。



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まず、観てホッとしました。
コレですよコレ。ごくごくリアルな近未来世界。明確なテーマと何が何でも生きんとする疾走感。そんな独特の映像や後半の追い込む展開は相変わらずのブロムカンプ調で、妙な安心感に包まれました。

まあなんていってもチャッピーですよね。人工知能が持つ可能性とその恐ろしさ。それを否定も肯定もせず、ただただより悪い環境化で育ませるという監督の意地悪さ(笑)、そしてチャッピーがどうしてもシャールト・コプリーに見えてしまう滑稽さが何ともいえません。「『第9地区』と被る」という方がいらっしゃるのは、やはり姿はロボットでも演者がS・コプリー丸出しという事が原因でしょうね(笑)。まあそんな純粋なコプリーさんの名演技(?)あってか、こういった劣悪な環境化で生まれてくる子供たちに、将来の選択肢なんて無いんだよ的な現状をチャッピーを通して突きつけてくるわけですね。現代の社会問題を堂々と近未来SFにブチ込んでくる毎度の監督の手腕。もう惚れますでしょ。カッコイイです。

前述のコプリーさん然り、今作はとにかく配役に遊びがあります。ヒュー・ジャックマンなんてもう強烈ですよね。っていうか、あの役を彼にやらせるという発想ですよ。まず誰も思いつかないと思いますよ。だってすげー嫌なやつですよ?(笑)この映画はそれだけでも価値がある気にさせられてしまいます。
そして『スラムドック$ミリオネア』以来の拝見ですお久しぶりですデヴ・パテルもこの顛末を思うとバッチリ適役だったなと思いました。インド系俳優を使うあたりもリアルであり粋でもあります。
そしてチンピラ全開のニンジャとヨーランディ・ヴィッサーを芸名そのままで利用するあたりが面白いですね。え、何これPVだったの?みたいなね。その辺の意図がどっかの雑誌とかに載ってないかなー。この辺理解するとより作品にのめり込めそうな気もするので是非聞いてみたいもんですよね。まあなんていっても、ヨーランディがとっても可愛く見えてしまうって、なんか不思議なわけです(笑)。
他にもS・ウィーバーなんかも出てますね。あまり必要性を感じませんでしたが(笑)なんですかね、監督の前作『エリジウム』のJ・フォスター同様の大御所枠といったところでしょうか。あと、何気にツボだったのはホセ・パブロ・カンティージョですね。もの凄いキャラが立つ役者さんなんですが、監督の前作にも出ていて、それも知っているからか、もうこの人の結末には笑わずにはいられません。「やっぱそんな扱いなの?」なんていってね。もし監督の次作にも出るとしたら、もうグッチャグチャなんでしょうね(笑)。それはそれで楽しみ。っていうか、ここまできたら是非やってもらいたい!
そんなこんなで、SF的な見どころに集中してしまいそうな題材ですが、ホントに役者さんたちが凄く良いんです。そっちも是非意識して観てほしいなぁなんて思いました。

もうね、ラストもブッ飛んでますよ。でもこれでいいんですよ。今更ブロムカンプ監督にこの辺真面目にやられてもこっちが困りますからね。いつまでも付き合う覚悟ですよ!だからね、噂になってる『エイリアン』シリーズをね、継承するかもなんて不安でしかないんですよ!!(笑)やるならいつまでもカラーを貫いてほしい監督さん。こういう人、なかなかいないですからね。
はい。そんなこんなで、今作も見事な小盛のG系ラーメンからの杏仁豆腐のような口当たりの病みつきブロムカンプ映画でした。
by inouewood | 2015-06-10 23:55 | 映画のこと
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