映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』はどうだ


やってましりましたアカデミー賞作品賞です。



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とは言ってもわたくし、イニャリトゥ監督の作品には全くハマっておりません。
21グラム然り、バベル然り、難しいというか何というか、おつむが弱い私にはどこに感動しどこで共感したらいいのかがさっぱり分からないんですね。絵的にも殺伐とし過ぎていて夢がないというかなんというか。ファンの方ごめんなさい。

さて、そんな彼の作品ともあって、コチラも期待せず理解できなかったら寝ればいい位な心構えで挑みましたが、全くもって無駄な心配でした。なんてったって、いきなり僕の大好きなカメラ長回し。しかもそれがそのまま続き・・・もう背中がずっと浮いてましたよ。どーなってんだ?の連続。もちろん全編ワンカット風に上手く編集されているんでしょうが、それでも緻密な前調整があったんでしょう。このチャレンジには度胆抜かれましたし、ずっとニヤけっぱなしな私でありました。
まあでもベストオブ長回しといえば彼の同胞・キュアロン監督の『トゥモローワールド』でしょう。親友でもある彼に感化されたのかどうかはわかりませんが、なんとなく監督の意地みたいなモノを感じました。
(しかもキュアロン氏は前年のオスカーで監督賞を『ゼロ・グラビティ』で受賞。2年連続でメキシカンが監督賞獲ってしまった事を心配する旨のイニャリトゥ氏のスピーチは面白かった)

前述の通り、勢いと演者の会心の演技で押し切っている作品なわけですが、手法上カット割りも無いのでどちらかというと舞台的なお芝居で皆さん弾けていたのがとても心地良いです。
まあ、なんて言ってもマイケル・キートンでしょう。バットマンで登りつめた彼の顛末と被るような内容で、そのシンクロ度がより痛快にさせます。そしてそんな主役を全く支えない(笑)E・ノートンの怪演もまたお見事でスリーベースヒット。味のある面倒臭さは彼にしか出せないまさにハマり役だと思いました。他にも性格がどれもこれも被らない女性陣3人衆と、結構強烈だったのは『ハングオーバー』シリーズのザック・ガリフィアナキスが一番まともな役という皮肉。この配役はとても面白かったですね。

ストーリーについてはあまり多くは触れませんが、とにかく怒涛のセリフ合戦です。正直、掴みどころのない会話も多々ありますが、その無茶苦茶感が“ショービズ界”への皮肉を込めた描写をより堪能させてくれたような気もしました。そしてこの見事過ぎるタイトルへと繋がるわけですね。
この映画のタイトルはあくまでも『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』これでひとつです。。こんな素晴らしいタイトルはなかなか付けられるもんじゃありませんよ。あっぱれです。

E・ストーンが見上げるラストシーン。僕はそのままストレートに受けとめています。現実か空想かなんてのはどーでもいいんです。劇中でM・キートンが女性批評家を全力でおちょくっていたように、イニャリトゥ監督が“常識にとらわれ過ぎる世の中”をおちょくっているんじゃないかと。そういう解釈のほうがより痛快だし、折角ならそんなフリーダムなイメージであってほしいという願望もちょっぴりあったりもします。

と、いうわけで、初めてイニャリトゥ監督の作品がハマりました。何よりもそれが嬉しかったわけですけどね。
ホント、映画好きにはたまらない挑戦的・挑発的な映画でした。
あと、BGMのドラムはもうホームランですわ。カッコ良過ぎて最後までノリノリ。
by inouewood | 2015-04-26 22:17 | 映画のこと
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