映画『イミテーション・ゲーム』はどうだ


やってまいりました。
アカデミー脚本賞受賞作です。



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第二次大戦下、ドイツの暗号「エニグマ」の解読が主な内容かと思っておりましたが、どうやらそんな単純なものではないようです。メインの戦時を軸に3つの年代を描いている本作ですが、実在するA・チューリングという人間を通して当時の社会を重く描いています。諜報という無情さ、恋愛、重い幼少期。彼のそのいくつもの苦悩が重石のようにスリラー要素を押さえ付けてる印象なわけですね。彼もひとつの時代の犠牲者であり、その描写がとても切なくもあります。その後に描かれるのはイギリス政府がずっと隠してきた事実なわけですが、これがまたなかなかきついんですね。数学者の域を超えた偉業、その多くの犠牲を思うと、言葉にはならないものがあります。一貫して浮つかない展開は飽きる事がありません。

さて、何と言っても圧巻なのは主役のV・カンバーバッチでしょう。もう完璧過ぎてビビりました。同じく社会派『裏切りのサーカス』で魅せた若手のスパイマンとはとてもじゃないが同じ演者とは思えません。脇を固める筆頭のK・ナイトレイも地味に効いてました。か弱さの中の強さ、お釣りがくるほどのそのサポート力は抜群です。他にもC・ダンス安定の嫌な奴、M・ストロングらしい無表情の諜報部トップと安心のベテラン陣はもちろんですが、映画好きになんとも嬉しいM・グードの配役も忘れてはいけませんね。「オジマンディアスや!!」って思った映画好きは恐らく僕だけではないはずです(笑)。今作も大満足の脇役陣でした。

そんなこんなで、前述のようにこの映画はただの暗号解読スリラーではありません。かなり高濃度の人間ドラマなので、”感情移入系”な方にはどっぷりハマれる事間違いなしです。
観ようかどうか、ちょっとでも迷っている方は是非ご覧になる事をおススメしたい一本です。
by inouewood | 2015-04-01 22:18 | 映画のこと
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