映画『ローン・サバイバー』はどうだ


「実話に基づく映画」というフレーズって、ズルいですよね。
それだけで観たくなっちゃうんですから。



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さてこの映画、ネイビーシールズ創設以来、最大の悲劇と言われているらしい”レッドウィング作戦”を、実際に生き残った兵士の原作本を基に映画化した作品です。もうね、僕にはこの触れ込みだけで観る価値ありですよ、

で、感想としては、とにかく壮絶!これに尽きます。「ダイブ」の描写はホントに凄い。(いったいどうやって撮ったんだ?)
監督はピーター・バーグ。コメディ映画で監督デビューを飾ると近年では『ハンコック』や『バトルシップ』といった大作を撮っています。そんなエンタメ系もこなしているだけあって演出には勢いがあり、元々は役者出身の監督なのでどことなくお芝居にフリーダムな雰囲気も醸しています。同じく社会派色が濃い秀作『キングダム』も撮っていますが、それと同様のグイグイ系(なんだそれ)の演出が魅力で、それをリアリティある映像と見事に調和します。他の社会派モノとは一味も二味も違う印象なわけです。

中心になる4人の兵士役もこれまた魅力的ですね。マーク・ウォールバーグにテイラー・キッチュ、エミール・ハーシュにベン・フォスターですよ。ティーンが興奮しそうなメンツじゃないっすか(実際、全米では大ヒットみたい)。なんですけどね、今回に関してはとにかくB・フォスター!彼が素晴らし過ぎます。演技があまりにも迫真過ぎて、他の3人が若干霞むほど脳裏に残ります。メインのM・ウォールバーグはいつも通り、良くも悪くもM・ウォールバーグ。と、いった感じです(どんな感じだよ)。まあ、大好きな役者さんの一人なので個人的には充分満足はしてますよ。脇を固めるエリック・バナも存在感抜群でOKですね(まあ、どうしても軍人役のE・バナ=デルタ隊員のイメージが消えませんが)。

最後に、この監督の題材チョイスにはとても感銘を受けます。前述の彼の社会派寄り作品『キングダム』然り、米映画として”イスラムの良心”を共に扱っている点はとても珍しく、イスラムにもそれぞれの歴史や人種がある事をいま一度提示し、「対アメリカ」や「善アメリカ」さらには「戦争賛歌」といった描写がどれだけ狭い視野で語られているものなのかを、強烈に痛感させます。
P・バーグ監督の懐の深さ。しばらくはまたエンタメ系を撮るのかもしれませんが、彼の次の社会派作品が楽しみでなりませんね。
いやはや、ローン・サバイバー。素晴らしい作品でした。


by inouewood | 2014-04-08 01:09 | 映画のこと
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