映画『THE GREY 凍える太陽』を観る

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とにかく強烈な緊迫感に座席まで包み込まれます。
もう完全に画面からその空気が漏れていて、その重さがまた素晴らし映画です。

<以下、超絶ネタバレ御免!笑>
それくらい異質な空気を放つ映画ですが、「なによりもストーリー派」な方には、ありきたりなパニックものとしか映らないかもしれませんね。
先のみえない絶望感をどんな塩梅でくみ取るかによって、その後の見え方が大きく変わると思います。
最後までサバイバル系パニックムービーの殻の中で観ていれば、はっきり言って相当つまらない映画かも・・・。

しかし、この映画が他と決定的に違うのは、ジリジリと追い込んでいく”徹底的”な絶望描写。
まるで神様の悪いイタズラかのような突き放し感がまた異質な雰囲気を醸し出すわけです。

ラスト前で主人公が「神よ。存在するなら何とかしてみろ!」と泣き叫びます。
この絡みの先に用意された展開で更に観ている我々は突き放されるわけですが、この映画が秘めていたものが溢れ出る瞬間であり、それが与える何ともいえない後味があまりにも強烈で。

もうひとつ、終盤に差し掛かる川の畔でひとり脱落するエピソードは、非常に情緒的で個人的にはツボでした。
おそらく、自分が事故から”生かされた”意味を悟った男。その背景に写り込む雪山。容赦のない虚無感。
・・・ここは堪りませんでした。

最後にすがるのは神でも運でもなく、己であるという事。
”神”という存在を冒涜しているわけではないが、アメリカ人がこの手のアプローチをしたことに驚きと新鮮味を感じずにはいられませんでした。

大好きです。こういう映画。
by inouewood | 2012-09-09 01:05 | 映画のこと
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