映画『戦火の馬』を観る

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さすがは馬映画です。馬同士の演技が素晴らしく、目で訴える某シーンは、まさに胸ぐら掴まれる位の鋭さが漲っていて僕がフルえてしまいました。

さてこの映画。児童文学の映画化という事で、「子供にも観せたい!」という声もあるようですが、個人的には若い頃に1930~50年代の映画に触れてきた大人たちにこそ観てほしい映画だと感じました。そんな「古き良きハリウッド映画」を現代の技術で再現した印象を強く受けたわけです。戦争を扱っていながら、視覚的な血が飛び散る場面は一切なく、<ここからネタばれ御免!⇒⇒>ハイライトの再会シーンは白黒映画を観ているような絶妙(決して陳腐ではない)な空間作りであり、なんていってもラストシーンは「風と共に去りぬ」を思い出させる憎い演出。不覚にも一気に情を持っていかれました。

配役も如何にも!な素晴らしさ満載で、中でもエミリー・ワトソンなんてまさに「古き良き」女優顔(失礼)。父役のピーター・ミュランもお得意の「ちょいワルイギリス親父」感はどこへやら、小さくまとまった昔ながらの「西部劇風ダメ親父」に。こんな観る者の脇腹を擽るような配役に対して「お見事!」以外に当てはまる言葉がありません。
そんなこんなで、この映画に関しては、ただの家族愛やら動物愛やらで感想をまとめてしまうには、とてももったいないような気がします。

まあ・・・人間ドラマに厚みがないし、中盤は淡々としているのは確か。でも要点を絞り込むスッキリ感が従来のエンターテイメントのかたちであり、その分かりやすさがむしろ魅力だったような。スピルバーグ自らがそこへ原点回帰し、チャレンジを続けているかのようで。そんなとてつもない映画愛を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なんだか言いたいことが言えたようで言えてない気がしますが・・・まあまあ、今宵もステキな映画に出会えました。
by inouewood | 2012-03-26 01:45 | 映画のこと
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