映画『50/50 フィフティ・フィフティ』を観る

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ガンを宣告された青年と、それを取り巻く人たちを描いたヒューマンコメディ。

とにかく「観てよかった!」という感想が真っ先に出てきます。
下ネタや汚い言葉のオンパレードですが、クソ真面目(失礼)に『命』を扱ったその辺の映画よりも、遥かに人間味が溢れている不思議な温かさに包まれたドラマです。
なんていっても、映画としての「救い」にもなっている、セラピスト役のA・ケンドリックと、母親役の名女優A・ヒューストンの存在は大きい。アナ・ケンドリックはとにかく可愛いすぎ(笑)。ひとつひとつのストレートな仕草がリアルで好感が持てるし、別の映画『マイレージ、マイライフ』でも魅せたその完成度の高い「らしさ」は、まさに「アナ節」とでも言いましょうか。それくらい虜になりました。もうひとりのアンジェリカ・ヒューストンもある意味可愛かった(笑)。子煩悩で甘い母親だが、強烈な目力があり芯の強さを感じさせる凄みがあった。まさに「母の強さ」といったところですかね。それがとてもナチュラルでした。
もちろん、個人的に好きなジョセフ・ゴードン=レヴィットもセス・ローゲンも良かったし、トータルでみた配役も見事。ブライス・ダラス・ハワードなんて可愛そうだけどピッタリな役だったし、お久しぶりフィリップ・ベイカー・ホールの不良っぷりもステキ。そして、まだ監督2作目とは思えないJ・レヴィンの細かい演出が、実は個人的にもっともシビレた点。あらゆるシーンでの人と人との「間隔」の技がなんとも素晴らしい。(ネタバレ御免!⇒)待合室での家族・友人とセラピストとの間や、息子に肩を掛けられちょっとだけ擦り寄る母の描写なんて特に印象的だった。ホント細かいところなんだけど気にすると何度でも観て堪能したくなります。

本来なら重いテーマになる「ガン」という題材を、ギリギリのコメディで見事に調和した温かい秀作ではないでしょうか。
この心地良い余韻は是非堪能してもらいたいですね。


満足度:☆☆☆☆☆
by inouewood | 2011-12-05 23:53 | 映画のこと
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