映画『ハート・ロッカー』を観る

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おそらく
世界で最も男臭い映画を撮れる女性監督、キャサリン・ビグロー。
好きなタイプなはずだが、正直今までのこの監督の映画は好きなほうではない。
でも、この映画を知ったときは、ちょっとの予告映像だけで鳥肌が立った。
もともとこの手の映画が好きなだけに期待も大きかったし、アカデミー賞までとってしまったわけだから余計わくわくだ。

とにかく今までにない緊迫感が全体に漂う。なにがどうなるか分からない現場。その場に放り出された処理班と同じ疑似体験を強制的に強いられる。
異常なほどの神経を要求される戦場の仕事。それがあまりにも繊細に描かれているだけに、そこから少し離れたところで起きるいくつかの出来事の描写がありきたりのように思えても、重く不思議なギャップを生み、たまらないほどの虚無感に陥れられた。これは今までの「戦場映画」では表現出来なかったことだと思う。
その緊迫感に拍車をかけるj・レナーの見事な演技。まさに彼のための役。怖いもの知らずな姿を見せる一方、プライベートな時間になるとどこか鬱々とした空気を放つ微妙な心情を演じわけた。彼以外の役者が演じていたならば間違いなく役そのものにウソ臭さが漂ったはずだ。
あとはなんていっても著名俳優の扱い方が贅沢。G・ピアースしかりR・ファインズしかり。え??っと思う効果は映画好きの心を強烈に満たしてくれた。
ラストは結局そこに行き着くのだが、従来の「アメリカ軍万歳」的にならない、あくまでもいち兵士の結末としての描写に徹底したように思えた(←ここは捉え方が分かれそう・・・)。戦争賛歌ではなく、爆弾処理班としてのまっすぐな生き様の中に見えた言葉が「WAR IS DRUG」といったところか。個人的には好きなラストである。
はじめてK・ビグローの映画を好きになれたようだ。

<満足度>
☆☆☆☆☆
<おススメ度>
☆☆☆
by inouewood | 2010-03-30 01:41 | 映画のこと
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